【村上 賀子 写真展「Portraiture」】 4/22(火) – 5/4(日)
4/22(火)~5/4(日)まで、イグーネ荒井では村上賀子 写真展「Portraiture」を開催します。
「東西線でつなぐART企画」として、大町西公園駅にあるGallery TURNAROUNDと荒井駅にあるIGOONE ARAIの2会場で同時開催します。
IGOONE ARAIでは《Known Unknown》をテーマに、10点の作品を展示します。
この作品は、今年の2月に開催された、日本の写真家の国際的な活躍を応援するフォトコンテスト「ZOOMS JAPAN 2025」でグランプリを受賞しております。
Known Unknownとは、“知らないということを知っている”という認知の状態を意味する。
この写真プロジェクトにおける撮影の条件は、女性が自宅などで――カメラがないかのように――いつも通りに過ごす様子を撮るというものだ。彼女たちは顔がはっきりと写されていない。かたや身ぶりや手ぶり、身につけている衣服、室内に置かれた家具や小物といった細部は鮮明に写し出されている。女性のいる室内というありふれた題材であっても、顔が見えないというだけで、私たちが写真を見る作法はがらりと変わる。
一般的に、顔という情報は、ポートレート写真の意味を決定的に支える。だがこの作品では、意識的に自分自身を“見せる”という表現が放棄される一方で、個としての強さと危うさの両面が見出されるような姿――“見る/見られる”という主体と客体の関係に収束しない、ただそこにあるということだけを頼りにしたイメージを提示する。彼女たちが誰のためでもない自分自身を率直に解釈して表現しようとするとき、それはどのように写真に現れ、写真はその一連の現象をどのように主導し、私たちの生に影響を与えるのだろうか。
月日の中で、あのときあそこにいた彼女とそれを見ていた私は、毎日少しずつ古い過去になっていく。髪型が変わり、住まいが変わり、そして妻に、母になった人もいる。彼女たち自身でも、かつて写された自分の姿を、別人と見間違えることがあった。自分の完全な身体は、鏡像や写像でしか見ることしかできない。もっとも身近な他者は、自分自身なのだ。その身体は、自分があつかう対象でありながら、自分そのものでもある。写真の中の彼女たちは――両義的な不可視の身体で――自分自身へ、カメラの向こうの私へ、そして鑑賞者という見えない他者へ向かって、自己を表現している。そのイメージを媒介する写真に、私たちは彼女の肖像を、いかに見出すだろうか。
-村上 賀子-
村上 賀子(Iwauko Murakami)
宮城県仙台市生まれ。
武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程デザイン専攻写真コース終了。コンセプチュアル・フォトのパイオニアとして知られる写真家・山崎博氏に師事。
主な個展に「Anonymous Danes」(2024)、「Known Unknown」(2024/2022/2021)。主な受賞歴に第23回三木淳賞(2022)。写真集に『Known Unknown』(2024、ふげん社)。
URL : https://www.murakamiiwauko.com/
Instagram : @mrkmwk
■同時開催
村上賀子 写真展「Portraiture」《Anonymous Danes》
会場:Gallery TURNAROUND
仙台市青葉区大手町6-22久光ビル1階
TEL:022-398-6413
詳細はイグーネInstagramにて随時更新しますので、ぜひチェックしてみてください!
⇒イグーネ荒井Instagramへ(@igoone.arai)
イグーネは、植物が春の訪れを告げています。
次々と芽吹く草木に生命の力強さを感じる今日この頃です。
春を見つけに、イグーネへお散歩に来てみませんか?